2025年11月、日中外交の最前線で大きな注目を集めたのが、中国外交部アジア局長の劉勁松さんです。
北京での日中局長級協議での姿が話題となりポケットに手を入れた状態で金井正彰アジア大洋州局長と話をする姿も注目され、「ポケット騒動」などと言われています。
この記事では、気になる劉勁松さんの読み方から経歴など詳しく調査してみました。

劉勁松の経歴と気になる読み方

■ 劉勁松(りゅう・けいしょう)
■ 1972年生/53歳 ※2025年現在
■ 浙江省(せっこうしょう)出身
■ 中国外交部(外務省)アジア司司長(アジア局長)
■ 中国民族大学地域経済研究所
アメリカのタフツ大学フレッチャー外交学院
劉勁松さんの読み方は「りゅう・けいしょう」です。
中国外交部(外務省)のアジア司司長(アジア局長)という重要なポストに就く外交官で、日中関係における主要な窓口を担っています。
劉勁松さんは1972年生まれで、2025年現在53歳です。
出身地は浙江省(せっこうしょう)で、新疆(しんきょう)で育ったという情報があります。
劉勁松の学歴は?

学歴については、中国民族大学地域経済研究所やアメリカのタフツ大学フレッチャー外交学院で学んだとされています。
現在の役職である中国外交部アジア局長として、日本、韓国、ASEAN諸国など、アジア地域全体の外交政策を統括する立場にあります。
特に日中間の懸案事項について協議する際には、必ず劉勁松さんが中国側の代表として登場するため、対日外交の最前線責任者といえるでしょう。
客観的に見て、劉勁松さんは日中関係を理解する上で欠かせない人物となっています。
劉勁松の実務型外交官としての歩み

引用元:日本経済新聞
劉勁松さんの経歴を見ると、長年にわたる外交キャリアを積んできた実力者であることが分かります。
1993年に外交部へ入部し、タイ、日本、英国などでの駐在経験を持つとされています。
報道によると、2018年には在アフガニスタン中国大使に就任し、治安が不安定な地域での外交を経験しました。
“2018年1月2日,刘劲松大使抵达阿富汗首都喀布尔履新。”
(2018年1月2日、劉勁松大使はアフガニスタンの首都カブールに到着し、正式に着任しました。)
引用元:外交部「驻阿富汗大使刘劲松抵阿富汗履新」
“阿富汗局势复杂敏感,中国大使馆始终坚持在艰苦环境中开展工作。”
(アフガニスタンの情勢は複雑で敏感であり、中国大使館は厳しい環境の中で常に業務を遂行してきました。)
引用元:外交部「驻阿富汗大使刘劲松接受阿富汗媒体采访」
そして2021年から現職のアジア局長に就任し、地域全体の外交調整を担う立場へとステップアップしています。
机上の外交ではなく、現場での実務経験を豊富に積んできた点が、劉勁松さんの特徴といえるでしょう。
こうした経歴から、劉勁松さんは中国外交において実務能力を高く評価されている人物だと推察されます。
劉勁松が注目された2025年11月の協議

引用元:テレ朝NEWS
日中局長級協議での厳しい対応
2025年11月18日、外務省の金井正彰アジア大洋州局長が北京を訪れ、劉勁松さんと局長級協議を行いました。
この会談が大きく注目されたのは、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に対して、中国側が強く反発していたからです。
報道によると、劉勁松さんは協議で「厳正な申し入れ」を行い、高市首相の発言の撤回を強く要求しました。
中国外務省の発表では、劉勁松さんは、
「発言が日中関係に深刻な影響を与える」
…と警告したとされています。
日本外務省の金井正彰アジア大洋州局長は18日、中国外務省の劉勁松アジア局長と北京で協議した。高市早苗首相の国会答弁を巡り、中国側は改めて答弁撤回を要求。日本側は応じない考えで、溝は埋まらなかった。… それでいい。少しでも譲歩を見せれば、中国共産党はつけあがる人種の集合体だ。 pic.twitter.com/HgPqUPR9E1
— 松丸まこと 元足立区議会議員 (@seiryukai) November 18, 2025
また、在大阪中国総領事による不適切な投稿についても、日本側からの抗議を受けましたが、中国側は強硬な姿勢を崩しませんでした。
協議後、劉勁松さんは報道陣に対して
「(会談内容に)当然、満足していない」
「(雰囲気は)厳粛だった」

…と述べ、日本側との溝が深いことを明らかにしました。
Bloombergによると、劉勁松さんは協議結果について「不満」との見方を示しています。
中国メディアの澎湃新聞によると、中国外務省の劉勁松アジア局長は、日本外務省の金井正彰アジア大洋州局長との協議結果について「不満だ」と述べた。
引用元:Bloomberg
この対応は、現在の日中関係の緊張度を如実に示すものと言えます。
劉勁松の「ポケット騒動」の真相

2025年11月の協議で最も話題となったのが、いわゆる「ポケット騒動」です。
協議終了後、中国外務省の建物内で、劉勁松さんが両手をポケットに入れたまま、日本の金井局長と話をしている場面が撮影されました。
この映像は国営中央テレビ(CCTV)によって配信され、中国のSNSで広く拡散されました。
中国の劉勁局長が両手をポケットに突っ込んだまま厳しい表情で日本側と対峙(たいじ)する様子は、中国国営中央テレビがあえて報じました。これは中国側が事態の主導権を握っていることをアピールする宣伝戦の一環とみられます。
引用元:毎日新聞
ポケットに両手を突っ込んで外務省の金井アジア大洋州局長に対応する中国の劉勁松アジア局長
— ミリレポ (@sabatech_pr) November 18, 2025
中国でもビジネスや外交の場で、ポケットに手を入れる行為は一般的にマナー違反とされており、意図的に優位性を示すジェスチャーと見られるpic.twitter.com/79MGOyuo8t
映像では、劉勁松さんが両手をポケットに入れたまま威圧的な態度で立っており、一方の金井局長が頭を下げた瞬間が捉えられていました。
日本のSNS上では、
「非礼だ」
「外交の場で考えられない振る舞い」
…といった批判が広がりました。
通常、ビジネスや外交の場でポケットに手を入れる行為はマナー違反とされており、意図的に優位性を示すジェスチャーと受け取られたためです。
これは中国政府が意図的にメディアに撮影させたプロパガンダの一環であり、高市早苗首相の発言を巡る強硬姿勢を国内外に示す目的があったと指摘されています。
中国側に明確な意図があったかどうかにかかわらず、結果として日中の主従関係を印象づけることに成功しており、非言語の使い方という点で一手も二手も上手であったと言えます。
引用元:東洋経済
外交儀礼の専門家も、相手に心理的なプレッシャーをかけるための演出との見方を示しています。
このエピソードは、外交における非言語コミュニケーションの重要性を改めて認識させるものでした。

劉勁松の役割と日中外交における位置づけとは?

アジア局長としての重要な責務
劉勁松さんは中国外交における対日外交の責任者として、以下のような役割を担っています。
日中間の懸案事項や両国関係の調整を行う対日外交の最前線責任者です。
日本の外務省アジア大洋州局長との定期的な協議を通じて、両国間の意思疎通を図っています。
中国政府の方針伝達者としての役割があります。
台湾問題、尖閣諸島問題、歴史認識問題など、日中間の敏感な問題について中国側の見解を直接日本側に伝える立場にあります。
日本産食品の輸入規制、ALPS処理水問題、経済協力など、実務的な問題についても協議を行う窓口となっています。
劉勁松さんの動向は、今後の日中関係を占う上で重要な指標となっていることは間違いありません。
これまでの主な外交活動
北京市にて中国外交部アジア司 劉勁松司長と今回の少林寺で行われた書、囲碁、武道をはじめとする今後の日中文化交流について意見交換させて頂きました。文化交流を通じて世界平和の実現に精進してまいります。押忍。 pic.twitter.com/LDITxwczPh
— 須藤元気 (@genki_sudo) August 14, 2023
劉勁松さんは2024年から2025年にかけて、日中間の様々な場面で協議を重ねてきました。
2024年2月には日中投資促進機構との交流で経済協力について意見交換を行い、同年3月には広州でALPS処理水問題などを協議しています。
2024年7月には日米2プラス2を巡って日本大使館の首席公使を呼び出して抗議し、同年8月には東京で尖閣諸島問題や邦人拘束事案について意見交換を行いました。
2025年に入っても、5月には尖閣諸島周辺での領空侵犯問題で日本側と相互抗議を行い、6月には名古屋で局長級協議を実施するなど、精力的に活動しています。
こうした活動記録を見ると、劉勁松さんが日中関係の様々な局面で重要な役割を果たしていることが分かります。
ポケットに手を突っ込んだまま他国からの来客の応対をするとは礼儀知らずにも程がある。
— Masa (@dk7674jp) November 19, 2025
こんな人間が高官をしている国はやはりたかが知れている。#中国外務省アジア局長 #劉勁松 pic.twitter.com/1Q3Brw4qY4
劉勁松さんの経歴を知ることで、日中外交の動向をより深く理解できるようになります。
両国の建設的な対話と相互理解が深まることを期待したいところです。
今後も劉勁松さんの動向には注目が集まり続けることとなりそうです。



